以前,統計検定2級に関する記事を書きました。
この統計検定と同じ協会が運営している資格試験で,もっとマニアックな統計調査士という資格があるのでそちらのご紹介をしたいと思います。
統計調査士とは
統計調査士検定は、公的統計に関する基本的な知識を正確に認識し、公的統計を適切に利用する能力を評価する検定試験です。
(公式サイトhttp://www.toukei-kentei.jp/about/tyousa/より)
つまり,公的統計の知識を持っていることを保証する資格です。
「統計調査の専門家であることを示す資格じゃないの?」と思われるかもしれませんが,違います。
「統計調査の専門家であることを示す資格」としては専門統計調査士が存在します。
ただし,専門統計調査士を取得するには統計調査士も取得しなければなりませんので,専門統計調査士を取得して「統計調査の専門家」になる前段階として統計調査士が存在する感じです。
社会調査士との関係
なお,「統計調査の専門家であることを示す資格」には社会調査士というのもあり,こちらのほうが比較的有名かもしれません。
社会調査士を取得するには「大学で指定の科目を履修」して「約2万円の登録料を納めて申請する」ことが必要なので,取得するのが結構大変です。
それに比べると専門統計調査士のほうが若干取得しやすいのかもしれません
(統計調査士で受験料5000円,専門統計調査士で受験料10000円かかるので一発合格しないとキツいですが…)
統計調査士を取得するメリット
統計調査士を取得するメリットについて整理すると,以下のような感じでしょうか
- 公的統計に詳しくなれる
- 「公的統計の活用は任せろー!(カチカチ」みたいなポジションで活躍できる
- 公的統計を多く使う立場の人だと普通に役立つと思います
- 名称から「統計調査の専門家」のように勘違いしてもらえる
- 就活のとき役立つかもしれません
- 専門統計調査士を取得する準備ができる
- 名実ともに「統計調査の専門家」になるのに大きく近づくことができます
ちなみに,統計調査士に合格すると「認定証」がもらえます。 手帳よりちょっと小さいくらいのサイズのもので,統計検定の合格証とはちょっと違うのが面白いです。
(画像の出所:公式HP)
統計調査士試験の対策方法
まず出題範囲を確認してみましょう。
出題範囲
- 統計の基本
- 統計の役割
- 統計法規
- 公的統計調査の実務
- 統計調査の基本的知識
- 統計調査員の役割・義務
- 公的統計の見方と利用
- 主要な公的統計とその見方・利用
2016~2017年の問題では,「統計調査の実際」(つまり「どのようにして調査していくか」といった部分)はあまり難しい内容が出題されることはなく,「統計法規」や「公的統計の見方と利用」に関する出題が多くて難しかった記憶があります。
「統計法規」というのは統計法という法律の暗記ゲーです。
「公的統計の見方と利用」は公的統計の概要,調査時期,調査主体,調査方法などの暗記ゲーです。
→ 統計検定とは異なり,数式がほとんど出てこない暗記ゲーになります。
「数式は苦手だけど統計系の資格をとってみたい」という人には統計検定2級を取る前の準備運動的に受験するのもいいかもしれません
対策方法
統計検定とは異なり,統計調査士には公式のテキストがありません。
立教大学の社会情報教育研究センターが『統計調査士 対策コンテンツ』というテキストを作成してセミナーを行っているため,
この『対策コンテンツ』を買って過去問を解けば受かります。
- 作者: 濱本真一,櫻本健,則竹悟宇,服部好美
- 出版社/メーカー: 立教大学 社会情報教育研究センター
- 発売日: 2017/09/15
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以前は合格率が3割ちょっとで統計検定2級よりも難しかったんですが,近年はかなり易化しており,また過去問も蓄積されてきたので過去問だけで受かるかもしれません。
日本統計学会公式認定 統計検定 統計調査士・専門統計調査士 公式問題集[2015〜2017年]
- 作者: 日本統計学会
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まとめ
- 統計調査士は公的統計に詳しいことを認定する資格
- 専門統計調査士を取得して「統計調査の専門家」になりたい場合も統計調査士を取る必要がある
- 統計調査士は『統計調査士 対策コンテンツ』を買って適度に勉強すればあっさり受かる