- 作者: 津川友介
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/04/13
- メディア: 単行本
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を読みました。
この著者は過去に『「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法』という計量経済学・統計的因果推論の本を書いていて,そちらの本も面白かったので,今回の本も買ってみました。
この本は,初めにエビデンス(科学的根拠)のレベル(RCTのメタアナリシスが最もエビデンスレベルが高い,など)について述べて,その後本題に入ってからもエビデンスとそのレベルに基いて述べていたので(「こういう研究結果もあるが観察研究なので参考程度にしよう」みたいな),その点が学者らしい誠実な書き方だと思いました。
色々書かれているのですが,高いエビデンスレベルで分析されていて特に気をつけるべき食品は以下のものでした。
高いエビデンスレベルで『健康に良い』ことがわかっている食品
- 魚
- 野菜と果物(ジュース,じゃがいもは除く)
- 茶色い炭水化物(玄米や全粒粉など精製されていない炭水化物)
- オリーブオイル
- ナッツ
高いエビデンスレベルで『健康に悪い』ことがわかっている食品
- 牛肉・豚肉などの「赤い肉」(鶏肉は含まない)とハムやソーセージなどの「加工肉」
- 白い炭水化物(白米や小麦粉などの精製された炭水化物及びじゃがいも)
- バターなどの飽和脂肪酸
野菜・果物と魚を摂取するように心がけ,それでは満腹感が足りないなら玄米や全粒粉の炭水化物やナッツ(ピーナッツも良いらしい)を食べよう,という感じですね。
以前に私が受講した栄養学の授業で聴いた話と近いものも多かったので,私にとっては結構受け入れられる内容でした。