盆暗の学習記録

データサイエンスを中心として,日々学んだことの備忘録としていく予定です。初心者であり独学なので内容には誤りが含まれる可能性が大いにあります。

[読書メモ]『やり抜く力 GRIT』

『やり抜く力 GRIT』

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

日本では2016年に出版され,その頃流行っていた本を2年遅れで読みました。

流行りの本にはなんとなく懐疑的で,この本も名前だけ知っていて読みはしなかったのですが,読んでみると,この本は学者が書いたものであり,中身は学術的な実証研究の結果を基に論じているため,非常に説得力がある本になっています。

この本の要点をざっくりまとめると,以下のような感じです。

  1. 成功に必要なのは「才能」ではなく,「情熱を持って努力し続ける力(やり抜く力:GRIT)」である
    • やり抜く力 = 情熱 + 粘り強さ
    • 情熱 := 一つの目標に継続的に取り組むこと。
    • 粘り強さ := 挫折してもあきらめずやり遂げること。
  2. 「やり抜く力(GRIT)」は伸ばすことができる
    • (1) GRITを自分自身で「内側から伸ばす」方法
      • 興味を掘り下げる:なにかに興味を持ち,疑問をもって学び,同じ興味を持つ仲間を探す
      • 「自分のスキルを上回る目標」を設定してはそれをクリアする練習を習慣化する
      • 自分が取り組んでいることが,自分よりも大きな目的(人々の役に立つこと)と繋がっていることを意識する
      • 絶望的な状況でも希望を持つことを学ぶ:失敗しない人はいない。失敗から学ぶことが重要。
    • (2) GRITを「外側から伸ばす」方法
      • 親・上司・メンターなど周りの人々が,GRITを伸ばすために重要な役割を果たす。
  3. GRITが強いほど,「幸福感」も強い
    • 成功(コンテストでの優勝,部署でのトップの業績など)と幸せは関係があるものの,同じものではない。
    • 2000人に対するアンケートでは,GRITが高いほど「人生への満足度」も高かった。
  4. GRITだけが重要なわけではない
    • 人の性格は複数の特徴からなる
    • 「偉大さ」と「善良さ」は異なるものであり,どちらかといえば「善良さ」のほうが重要だと筆者は思っている.
    • 過去の研究でも,人々が人を評価するときに最も重要なのは「道徳性」だった

「能力よりも努力(費やした時間)が重要だ」といった話は時折見かけますし,私も経験的にそう思うことはありますが,それを実証した研究結果とともに述べてくれているので,「自分の認識は正しかったんだ!」と納得できます。

著者が元教師であることもあり,人のGRITをどう育てたらよいかといった点についても過去の研究結果を引用しつつ述べていたりするので,人を育てる立場にいる人にとっても良い本だと思います。

ネット上の他の紹介記事でもこの本の内容の概要を掴めると思います:

内容の密度も結構高くて,買って損のない良い本でした。興味があったら買ってみてください。